「見た目は人だよね?」
「姿のことか?
…まさかと思うが昔話に出てくる悪魔のような恐ろしい姿だと思ってはいないだろうな?」
「……。」
思ってました、なんて言えなくて黙ってしまう。
「実際の魔族の姿は人間とさほど変わらない。
しかも、今は力を抑えて姿を変えているから分かるまい。」
「そう…なんだ…。」
斗夜くんの顔をまじまじと見てしまい、それに気づいて一気に顔が熱くなる。
不思議そうに首を傾げた斗夜くんから目を逸らした。
「いいよ…続けて、話」
わかった、と了解した斗夜くんは再び口を開く。
「私がここにいる理由についてだが…長くなるな。
昼の時間が終わる。続きは後で話そう。」
お弁当を片付け、立ち上がると「そうだ」と斗夜くん思い出したようにこちらに顔を向けた。
「私が人間界にいる間、小夜の家で世話になる。」
