病院に行ったのは学校から診断書を強く求められたからで、最初から治療目的ではなかった。中2の秋に復学を決めた時、今度は治療目的で自分から「行きたい」と行ったら、祖母に「学校に行けるようになれば十分。もう、病院に行く必要はない」と反対された。
 家族や教師にしてみれば、傷が癒えた癒えないより私が学校に戻る事の方が重要で、それで問題解決と見なされても、癒えていない場合はいずれ再発するか、性格に異常を生じる。
 その時、親が人生のやり直しを許すか許さないかで、その子の人生も、子供の親に対する見方も変わってくる。私だって全日制が合わないと気付いた時点で、中退して定時制に入り直す事も出来たはずなのだ。それが出来ずに卒業まできてしまったのは、家族の言動からそれを認めるはずがないという諦めの念があったからなのだろう。
 そして、この3年間の出来事が後々生活に大きく影響し、私は更なる波乱の人生を送る事になる。