2度の食事の間が短かったのと、おかわりしに行くのが面倒で通常のお茶碗2杯分の米を丼ぶりに盛って食べていたのが、祖母には1度の食事で丼ぶり2杯に見えたのだろう。
 食品売り場を歩いていると、何だか自分は物欲しそうな食欲丸出しな気がして、体型の事もあり、特に揚げ物と肉のコーナーは苦痛と恥じらいでしかなく、いつしかトラウマは食全体へと広がった。
 調理実習は正に地獄。授業でおやつを作る事になり、教師は生徒1人1人に「好きな食べ物は?」と問いかけるが、私は1人それに答える事が出来ず、皆の前に教師に「あなたの家は、おやつもないのか?」とバカにされた。
 クラスメイトは私が給食にほとんど手を付けないものだから、「あれ頂戴、これ頂戴」と言って、私も言われるままに次々と与え、給食が嫌で寝たふりした事もあった。
 成長するに従い、そのトラウマは少しは和らいだものの、今もなお私を苦しめ、食のコミュニケーションを拒み続けている━━━。