週1ペースで気まぐれに呼び出されては、ただセックスする場を求め、束の間のドライブ。狭い車内で指示に従い下半身を舐め、足を開き、後ろを向き、そうやって一方的な快楽に弄ばれながら、顔で笑い、心で「変態」とけなす自分がいる。
 挿入時はいつだって下着をずらすだけで、下半身への愛撫もなければ、抱擁さえなかった。口での奉仕を断れば、自分から頭の上に乗ってきて、ラブホテルに行く金もないくせに、「じゃぁ、お金あげたらやってくれる?」なんて、なぜ、そんな男を優しいと、恋だと錯覚していたのだろう。
 「俺の事、好き?」
 私が「うん」と答えると、彼は何度も同じ事を聞いてニヤニヤ。何度目かのデートから、私をちゃんと抱きしめてくれるようになった。
 けれど、その頃にはもう私の心は彼から離れようとしていて、むしろ、激しい嫌悪に変わりつつあった。
 自ら別れを切り出せたのは、男友達が3人出来た事による安心感。
 「せめて、もう1度会いたい。しのの事が好きになった」
 今更の告白に意味はない。
 そのまま似たようなメールが1ヶ月続いた。