「まさか僕たちが雑誌に載るなんてね!」

馨が私たちが載ってる音楽雑誌を買ってきて読んでいた。

ONIXは全員シェアハウスで同棲生活をしている。

3部屋と屋根裏しかないため、私と馨は同じ部屋で生活している。

「ゆめちゃんは彼氏とかつくらないの?」

馨がそう私に聞くと私は首を傾げた。そういえばメンバー全員フリーだ。
バンドを組んで4年、誰も恋人をつくらなくなった。私もその一人…。

コンコンッとノックが聞こえた。

「おい、ゆめ。」

入ってきたのは隼人だった。
どうやらゆめに髪の毛をセットしてほしいらしい。
今日もライブフェスがある。他のバンドたちも次々に出てきて演奏する。

「こんな感じでいい?」

隼人は女の子みたいな髪質でしかも綺麗な顔だからよくに女のひと間違えられるくらいだ。

「ありがとう、ゆめのもやってやろうか(笑)」

「え、いいよ!この前やってもらった時すごかったもん(笑)」

「今日はフェスなんだし、ゆめちゃんもお洒落しなきゃね。」

フェスやライブの衣装の色はONIXで統一している。まあ、常に黒だけど。