「ちょっ… 泣くなよ、葵!」 「な…泣いてないもん。 汗だもん。 鼻水だもん。 ヨダレだもん。」 …結局なんなんだよ。 つぅか、目からヨダレ出たら怖えよ! 「あ~も~、泣くなっ!!」 俺は… 葵を抱きしめた。 「純?」 上目遣いで、俺を見る葵。 俺の心拍数が… 速くなる。 「…避けてなんかないから。」 「でも…」 でも、じゃねぇし。 「い…意識してただけだ。」 「意識?」 そう。 俺は… 最近、ずっと葵を意識してた。