近いんですけど。




「葵。
起きろ…」


まだ6:00だから、起きなくてもいい時間だけど…

俺のベッドにいられるのは困る。


「ん…」


「え!?」


葵は寝相で、余計に俺の方に近寄ってきた。




ドキ…





ちょい、ちょい、ちょい…


近すぎだっつーの。





…つぅか、何で俺はこんなに焦ってるんだ?


キスくらい、何回もしたことあるし。

それ以上のことだって、何回もしたことある。

好きでもない奴と、余裕でしてた。




なのに…


なんで、今…

寝相で近づかれただけで、こんなにもドキドキしてる?



さっき風呂場でも…

女の裸なんて慣れてる筈なのに。


ドキドキして…


とっさに目を瞑った。



なんで…?