「じゃあな、もう道路には出るなよ。」


そう言って、俺は猫の頭を撫でた。


それから前を向いて、家に帰…


「り、理人くん…」


…なんなんだよ、この女。

どんだけ僕を呼び止めるんだ?


おかげで全然前に進まないんだけど。


「…何?」


不機嫌気味に、僕が後ろを振り返ると…


「にゃ〜」


そこにはさっきの猫。


「…」


試しに右に動いてみると、猫も右に動く。


左に動いてみると、左に動く。


前に歩くと、前に動いてくる。




この猫、僕のことつけてきてる…