「いいよ~」
あたしがそう言うと、部屋のドアが開いた。
「遅えんだよ。
このノロマ。」
文句は言ってたけど、ちゃんと待っててくれた。
純って、悪い奴じゃないのかなぁ?
…そう、思えてきた。
いや。
今日機嫌いいだけかな?
「なんだよ?
人の顔ジロジロ見やがって。
バカが移ったらどうすんだ。」
バカはお前だよ!!
ていうかバカなんて移るの?
「…ったな。」
純は、ボソッと何かを言った。
「え?」
聞き取れなかったけど。
「…だから、悪かったっつってんだろ。」
純は、あたしの顔を見ないで言った。
「何のこと?」
「はぁ?
もう忘れたのかよ。
風呂場で…」
あぁ。
お風呂場でのハプニング。

