それは写真だった。 父さんと、知らない綺麗な女の人と、生まれたばかりの赤ん坊の写真だった。 父さんの子供は僕しかいない。 つまり、この赤ん坊は僕だ。 ってことは… この女の人は、僕の母さんなんだ。 この時、初めて母さんの顔を知った。 嬉しかった。 想像してたよりも、綺麗で、優しそうで… 僕のことを大事そうに、抱っこしていたから。 母さんに会いたくなった。 待ってなんていられない、そう思った。