「おぎゃぁーおぎゃぁーーー…」



4月1日。

僕は父の経営するアメリカの病院で生まれた


…らしい。


もちろん、そのことは覚えてない。


これからする話は、父から聞いた話だ。



「やっと出て来てくれた…
理人…」


母さんはそう言って、僕を抱きしめた。


この時の母さんは、本当に幸せそうだったそうだ。


…きっと僕も幸せだった。


覚えてなくても分かる。


子供なんてみんな、生まれた時から母親が大好きなんだと思うから。




…でも、この幸せは続かなかった。