「嘘つかないで!」


理人くんの言うことを、全部真に受けちゃだめだ!


さっきだって、嘘つかれたし!


「嘘じゃないよ。」


「だって…
苗字も違う、顔も似てない、一緒に暮らしてない…
兄弟だって証拠がひとつもないもん!」


「うるさいなぁ…。」


理人くんは、耳を手で抑えて迷惑そうにしてる。


「はぁ…
詳しく話すつもりはなかったけど…
まぁいいや。
話してあげるよ。」


別に聞きたく無いんですけど。


純と理人くんが兄弟とかいう、そんな作り話なんて。


「長くなるし、歩きながら話そう。
下校時刻も過ぎてるし。」


「…わかった。」


あたしと理人くんは、とりあえず教室を後にした。