「ねえ、理人くん…
なんで、キスしたの?」


あたしは、真剣に理人くんに尋ねた。


「…葵ちゃんへの気持ち、抑えきれなくなっちゃったんだ。」


そんな…


「困るよ!
あたしは…」



「な〜んて。」



また、あたしの声は遮られた。


…今度は理人くんにだけど。



「…な〜んて、言うと思った?」



「え?」


理人くん?


「悪いけど僕、葵ちゃんのことなんて…
ぜ〜んぜん、好きじゃないから♪」


理人くんは、ふざけた調子で机の上に座った。


さっきまでの穏やかな理人くんとは、まるで別人みたい…。


「じゃあ、なんで!?
なんでキスなんかしたの!?」


「そ!れ!は!ね〜…」


理人くんはそう焦らしながら、腕を伸ばして…


あたしの顎を指でクイッと持ち上げた。