「純、理人くんのことになるとやたらと不機嫌になるけど…
なんで?」


「…知るか。
もう寝る。」


俺は悟った。

この超絶鈍感バカにこれ以上話しても無駄だということを。


「…もう、純のバカ。
おやすみ!」


葵も徐に布団を大きく被って、壁の方を向いた。



…わかってる、これはただの嫉妬だ。


葵のこと、信じたいって思うのに、嫉妬が邪魔をする。


放課後、教室に二人きりで何の話をしてたのか、とか。


理人の家で何をしたのか、とか。



…自分でもダサいとは思うけど、そんなことばっか考えちまう。


独占欲の塊だ。



…もう寝よう。

考えたって仕方ねえ。





俺はゆっくりと、目を瞑った。