「えーっと… ”葵ちゃん”もよろしくね? ”理人”でいいよ。」 王子はそう言って、あたしに微笑んだ。 …そっか。 さっき純があたしの名前読んだから、あたしの名前分かったんだ。 嬉しいな、名前読んでくれて。 「うん! よろしくね、”理人くん”。」 なんだかぐっと仲良くなれた気がして嬉しい。 いつまでも”王子”って呼ぶわけにもいかないし、良かった。 …あたしと純と理人くんは、そんな感じの会話をしながら一緒に登校した。