返事…


正直、女の子に告白されたことなんか今までなかったし。


男からの告白も、返事なんてしたことなかった。


だから、なんて言ったらいいのかあんまわかんねえけど…


「俺さ、女の子からチョコレート貰うの初めてで…
本当、すんげえ嬉しい。
ありがとう。」


「先輩…」



「でも…
このチョコもらったら、多分あいつを、泣かせちまうからさ。」


さっきでさえ、泣きそうな顔してたから。


「あいつって、もしかしてさっきの…」


「…そう。
だから、ごめん。
受け取れない。」


「そっか…
分かりました。」


女の子は、納得して、俺に微笑んでくれた。


「好きなんですね、さっきの人のこと。」


「おぅ。」


気づいてなかった自分の気持ちに、やっと気づいた。


俺は、小牛田のことが…




「じゃあ、私帰るんで…
先輩はさっきの人を早く追いかけてきてください!」


「ありがとう!」


俺は勢いよく教室を出た。