…結局、早乙女はあの後あたしを家まで送ってくれた。



あいつ、どんだけ優しいんだよ。

あたし本当は熱なんてなかったのに…



つーか、早乙女のこと考えて熱くなって気絶とか…


ありえねえ。


ダサすぎる〜!!!!


「ガー!!!!!!」


「ちょ!?お姉ちゃん!?
やめてよ、その動き!キモい!」


枕に顔を埋めて体をうねらせるあたしを見て、咲は言った。



えーと、忘れた人のためにもう一度自己紹介!


『小牛田 咲(コゴタ サキ)』


は、あたしの年子の妹。


あたしとは対照的に可愛くてモテモテで、女の子らしい女の子。




「…なんか、最近お姉ちゃん変!」


咲はあたしを指差して、可愛い顔で睨んできた。


「ぇえ!?
いや、そ、そんなことは…」


「だって!小さい頃から体が丈夫なお姉ちゃんが学校で熱だすなんて…」


ギクッ!


「しかも、男の人に家まで送ってもらってるし…」


ギクギクッ!


つーか、早乙女に送ってもらってたとこ見られてたのかよ!