「鯉!?故意!?語意!?語彙…」


「はいはい、落ち着いて。
落ち着こうねー」


パニクるあたしの肩を梨々香はそう言って撫でる。


「…で、誰に恋してるの?
まぁ大体察しはつくけど…」


「い!いやいや、まず!あり得ない!あり得ないから!////」


あたしは今まで一度も ''恋'' というものをしたことがない。


もちろん彼氏なんか出来たこともねえ。



だから…


「わ、わっかんねーよ。
恋なんて…」


「成…恋って素敵なことだよ?
あたしも純に恋してよかったっておもうもん。」


葵…


そっか、葵は獅子堂のことが好きだから。


だからこの気持ちが分かるのか。



じゃあ…


あたしが好きなのって…