「どうしたの?
純…
食べないの?」


ぼーっとしてた俺の顔を、葵は覗き込んだ。


「え?
…あぁ。
食う、食う。」


前の俺だったら、母さんを思い出すといつも切ない気持ちになってた。


…でも今は違う。


暖かい気持ちになる。


「美味い!
この芋が最高だなっ!」


「ふふっ。
ありがとう、純くん。」


葵とそっくりの、笑顔…


やっぱり、安心する。



…最近、母さんのことをちゃんと”思い出”に出来るようになった気がする。


きっと、新しい家族が出来たから。