「あら?
葵…
なんで抱っこしてもらってるの?」
台所まで、葵を運ぶと…
母さんが、驚いた顔でそう言った。
「いや…
えーと…
なんとなく?」
…誤魔化すの下手だな。
「それより、母さん…
今日の飯何?」
「あぁ…
今日のご飯は、カレーよ!!」
ナーイス!
流石、俺。
誤魔化すの上手いな!
「やったぁー!
カレー大好きぃ♡」
飛び跳ねる、葵。
つうか、腰ぬけてたんじゃねーよ!?
治んのはやすぎだろ!
食い意地はりすぎだろ!
「お前、食物なら何でもいいのかよ。」
「違うよー!
ママのご飯だから、好きなの!」
ふーん?
…仲良いよな。
葵と母さん。
俺も、母さん好きだ。
なんつーか、安心する。
俺は7歳で血の繋がった母さんを亡くしてるから、母さんの記憶はそんなにない。
でも、母さんも今の母さんみたいに、安心出来るオーラを持ってた。
それは鮮明に覚えてる。

