「そうして、王女はこの人間界へ来たのです。私たち3人はそのあと、すぐにこちらへ向かい、今まで『家族』として王女の側にいさせていただきました。」


父が話し終える。未だに莉奈は半信半疑だった。


「えっじゃあ、みんな私の家族じゃないの?17年間、私をだましていたの!?」


「申し訳ありません・・・。」


みんなは光を帯びて、当時の正装だろう白い制服の姿で、床に拳をつき、頭を下げた状態で現れた。


莉奈が1番驚いたのは、祖父だった。なんとさっきまでおじいちゃんだった人が、年30ぐらいの優男に早変わりしたのだ。


「・・・そっちが本当の姿なの?」


莉奈はその男に聞いた。


「はい。私は見たものに変化できるのです。ほかの者たちもそれぞれに特技をもっています。」


莉奈は少しずつ怒りを静めながら、話を変えようと思った。

「ねぇ、いろいろ疑問に思ったんだけど、聞いていい?」

「はい。何でしょう?」

「私、天界ではリナーミっていうんでしょう?そしたら、みんなの名前も違うんだよね。本当の名前教えてくれる?」


「はい。分かりました。では、私から。私の本当の名前はガイと申します。特技は剣技で、この班のリーダーを務めております。」


今度は母が答える。

「私はレミリアと申します。特技は治癒です。」


次は兄。


「私はレイヤです。私は当時、新米で人間界にすぐ来てしまったので、特技は持っておりません。」


最後に祖父の姿だった優男が答える。


「私はアルト。特技はさっき話した通りです。」