昔からよく、同じ夢を見る。

自分は、途方もない森を知らない女の人と手を握り、ただただ走り続ける。気づいたらそ

の女の人は死んでて、自分だけ男の人に連れて行かれる夢。とても不気味なのに少し懐か

しいような、そんな夢・・・。







「いってきまーす」


少女が玄関の扉を開け言った。


それを家の中から見ていた少女の父が引き止める。


「莉奈ちょっと待て。今日は大事な話があ

るから早めに帰るようになー。」


少女は首を傾げる。


「わかったー」


そういいながら、すらりと長い足を前に出
し駆けだした。