流れのまま、いつの間にかあたしは冬真の乗ってきた車に乗車していた。





「あんたが冬真の姉?」



車に乗った途端に低い声が耳に届いた。



運転席の方を見ると藍色の髪をした男がバックミラー越しにあたしを見ている。



冷めた。どこか刺すような威圧感のある視線。




「うん。そうだよ」



「……」



笑顔で答えると男は明らかにあたしを睨み付け、楓が車に乗ると静かに発進させた。




確かこの人…南、って呼ばれてたっけ?




あんまり、あたしのこと良くは思ってないみたいだね。



ま、冬真の姉とはいえ初対面だし。