上原くんの顔がとても近く心臓の音が上原くんに聞こえちゃうんじゃないかと思ってしまう。


「どっ、どうかな?」


「うん、可愛いよ。唯」


「ありがとう!嬉しい!」


上原くんがしたかった事、言いたかった言葉は決してわたしに向けられてるんじゃないって理解してる。


たった一人の彼の愛しい人、由香里さんの代わりでしかないって理解してるの。


でも今は…今だけは、


貴方の一番がわたしでありたいと、そう願ってしまう。


「あのっ!わたしからも…。受け取ってくれる?」


鞄の中からだした上原くんへのプレゼント。


「ありがとう。開けてもいい?」


コクコクと頷くと上原くんはプレゼントを開けた。


「あっ、時計だ」


「どう、かな?」


「うん。俺の好きなデザインだ。かっこいい。ありがとう、唯」


上原くんは時計を腕につけるとわたしにそれを見せてきた。


ゆっくりと刻む時計を見て、わたしたちもこれからもずっと一緒にいられたらと願わずにはいられなかった。