さよなら、片思い【完】

「散らかってるけど、どうぞ。こら、玲央、ちゃんと靴揃える」


「おっ、お邪魔します…」


わたしは未だに戸惑いながらもキョロキョロと辺りを見渡す。


駅から少々離れた距離にある6畳2間の小さなアパート。


玄関には【本城】と高井くんの今の苗字の表札が出ていたから紛れもなくここは高井くんの家なんだろう。


「適当に座って。お茶とイチゴミルクしかないけど、どっちがいい?」


「じゃあお茶で…」


あのあと、驚いているわたしに「説明するから、家に来て」と言われ、わたしは高井くんに連れらてやって来た。


リビングに通されると目に入ってきたのは飾ってあるたくさんの写真の数々。


でも全部の写真には高井くんとレオくん、ふたりきりの写真で母親が写っていなかった。


「お姉ちゃん!見てみて!レオがこれ描いたんだよ!」


レオくんはわたしを気に入ったのかいろんな絵が描いてあるノートを嬉しそうに見せてきた。


「レオくん、絵がお上手だね!よく描けたね」


そう言って褒めるとレオくんは得意げに笑ってみせた。


「唯。はい、お茶。熱いから気をつけて」


「…ありがとう」


「玲央。パパたち、大切な話ししなきゃいけないから隣の部屋で遊んでて」


「はぁい」


そう言うと落書きをしていたレオくんはお行儀良く、クレヨンとノートを持って隣の部屋に入って行った。


扉が閉まったのを確認してから高井くんは大きくため息をついた。