さよなら、片思い【完】

休日の前日、なっちゃんと電話で長話をしていたから翌日起きたのはお昼過ぎ。


上原くんが泊まりにくるなら食材をいくつか買い置きしてあるけど、今日は生憎と冷蔵庫の中は空っぽ状態。


Tシャツにパーカーとレギンスにスカート、軽くメイクをしてわたしはスーパーへ買い出しへ出かけた。


駅から少し離れているスーパーだが、激安が売りのこの店はいつも人でごった返している。


家計を支える主婦たちとの争奪戦に勝ち抜いてなんとか広告の品のにんじんとジャガイモをゲット。


買い残しはないかと広告と睨めっこしていると身体に小さな衝撃が走った。


下を見ると


迷子なのか小さな男の子がひとりで泣きながらわたしにぶつかってきた。


「ひとり?お家の人とはぐれちゃったの?」


見かねたわたしはその男の子の前にしゃがみ込み目線を合わせてゆっくりと話しかけた。


「パッ…パパ…れっ…ヒック、さっき、いた…」


おそらく父親と来てはぐれてしまったのであろう。


不安からか、両目に涙をいっぱい溜めている。


こんな人が多いんじゃ、こんな小さな子だけで父親探しはほぼ不可能だろう。


「じゃあ一緒にパパ探してあげる。ねぇ、お名前は?」


「れっ…れお、ふたつ」

小さな指でおもいっきり2の数字を表す。


「レオくん。カッコイイ名前だね」


不安を取り除くように明るく話すとレオくんはパッと笑顔を見せた。


レオくんの小さな手を握りながら一通り店内を探すけど父親は見つからない。


どうしよう…。