さよなら、片思い【完】

ヤバい…。これは非常にヤバい。


わたしの隣で缶ジュースがベコベコ音を立ててヘコんでいく。


「あの…。なっちゃん?だから、そういう訳で…」


お昼休みになぜ上原くんが今朝わたしを送ってくれた経緯を説明したのだけれども。


「高井 渉に泣かされたぁ!?なにあいつまた唯のこと!もう一回突き飛ばしてやろうか!?」


落ちついてなっちゃん!


寧ろ引っ叩いちゃったのはわたしの方だから!


「だからわたしを心配して上原くんが今朝来てくれたの」


「…ふーん。なるほど。それにしても高井とそんなとこで出会うなんて、世の中狭いね」


「そうだね」


まさかあの高井くんが由香里さんの知り合いでモデルまでやっているなんて。


「でも唯に引っ叩かれた瞬間の高井の顔、見てみたかったなぁ」


なっちゃんはからかうようにわたしを見ると大きく笑った。


放課後、予定通り迎えにきてくれた上原くんと並んで帰宅する。


「今日の晩飯なに?」


「んー、上原くんは何食べたい気分?」


「中華だな。しかもガッツリ系」


ガッツリ系か…。冷蔵庫の中を思い出しながら献立を考える。


「じゃあ回鍋肉はどう?お肉と野菜たっぷり入れて」


「いいな、それ。旨そう。俺も手伝うよ」


上原くんとそんな話しをしていると校門前に人だかりが出来ていて、とてもじゃないけど出れそうにない。


「なにかあったのかな?」


上原くんの問いにわたしは答えることができなかった。


「…高井くん」


その人だかりにいた中心人物は昨日わたしが引っ叩いた人物だった。