さよなら、片思い【完】

パンケーキはふわっふわで、評判通りとても美味しい。


わたしがモグモグさせながら食べていると上原くんがクスッと小さく笑った。


「唯、ハムスターみたい」


「えっ、ハムスター?」


それってガッついてるってこと?


「可愛いよ、すごく」


「…なんだか褒められてる気がしない」


「拗ねないで。可愛い顔が台無しだ。ほら」


そう言うと手を伸ばしわたしの頬についているクリームを拭き取った。


「じっ!自分で出来るから!!」


「そう?残念」


上原くんの動きに見惚れてしまって顔が赤くなる。


「ちょっと、手、洗ってくるね!」


恥ずかしくなって一度冷静になろうと席を立つとわたしは足早にお手洗いへ向かった。


ハァ、と個室に篭りため息を小さくつく。


上原くんにはいつもドキドキさせられっぱなしだし、いつも、上原くんだけが余裕で。


でも、わたしのこと想ってくれてるんじゃないかと錯覚しそうになるほど優しいし。


「ねぇねぇ、さっきの人超かっこ良かったよね!地元の人かな?」


「あぁ、あの連れの女は普通な感じだった人でしょ?あのレベルならもっと可愛い人選べるのにね」


「言えてる!声かけちゃおうかなぁ?」


「あっ、ずーるーいー!あたしも声かける!」


扉の向こうでゲラゲラと笑っている女の子たちの声が聞こえてきた。


きっと、いや、絶対上原くんのことを話してるのだろう。


このお店にいる人みんな、恋人連れの女性や店員さんまでもが彼へ熱視線を送っていたのを側にいたわたしはヒシヒシと感じた。