さよなら、片思い【完】

駅に着いて荷物をコインロッカーに預けて各自、各々の行くところへ出発した。


仁奈さんと由香里さん、杉田くんの3人はテニスをしに、


大志くんは「軽井沢の美人お姉さんと恋のフーガを奏でててくる!」と鼻息を荒くして1人別行動になった。


残ったわたしと上原くん。


ふたりきりになりどちらからともなく指を絡めながら手を繋いだ。


「さて、行きますか」


「うん!すっごく楽しみ!!」


まず向かった場所は美術館。


今は期間限定でガラス工芸展が開催されていた。


光の加減や見る角度によっていろんな表情を見せるガラス細工に目を奪われる。


「綺麗…」


「だな。普段見ることないから感じることないけど、こんなに繊細で上質なものなんだな」


一通り見て廻ると販売コーナーが特設さるはているブースにやって来た。


アクセサリーや食器、小物までガラス細工で作られていてどれも女の子心をくすぶる物ばかり。


「何かいいのあった?」


「あっ、うん。えっと…ない、かな?」


ウソ。本当は気に入ったアクセサリーを見つけた。


ハートモチーフのブレスレットで、ピンクゴールドの小さなストーンがハートの中央に組み込まれていてとても可愛らしいデザインになっている。


だけど、予算オーバーしちゃうんだよね。


「そう?」


「うん、大丈夫。次、行こう」


せっかくの軽井沢の思い出だから欲しかったけど、わたしは泣く泣くそれを手放した。