さよなら、片思い【完】

途中で色が次々変わる変色花火に先端が分かれているススキ花火。


小さな打ち上げのロケット花火やねずみ花火、


暗闇に咲く色とりどりの花火はまるで幻想的で、


明るすぎて、すぐに消えてしまうけれどでもとても優しくて。


まるで上原くんみたいだなと思ってなんだか心がギュっとなった。


「最後はやっぱりこれっしょ!?」


杉田くんがわたしたちに一本ずつ線香花火を渡した。


「普通にやるのつまらないから、願い事しながらやろうよ!」


由香里さんが線香花火片手にそう可愛くそう提案する。


「願い事ですか?」


「そう。みんなで一斉に火をつけて願い事するの。で、最後までついていた人の願い事が叶うって。まぁ、願掛けみたいなもの?」


みんな由香里さんの提案に面白そうと賛成して6人で缶の中に入っているロウソクに目掛けて花火に火をつけた。


誰もが喋らずに火がパチパチとついている線香花火を見つめる。


願い事、


上原くんとずっと一緒にいられますように。


叶うはずのない願掛けをこの小さな火種に託した。


「あぁ、ダメだった。落ちた!」


最初に火が落ちたのが大志くん。


「あたしも〜!かっこいい彼氏が出来ますようにって願い事したかったのに〜!」


次に落ちたのが仁奈さん。


「あっ、落ちた」


「わたしも落ちちゃった」


由香里さんと杉田くんの線香花火がほぼ同時に火が落ちて。


「わたしも、落ちちゃいました」


わたしの願いは儚くも夏の闇に消えた。