ふたりで星々が輝く夜道をゆっくりと歩く。


「唯、ごめん」


哲くんが立ち止まってわたしに頭を下げる。


「唯にプロポーズしてからご両親に報告するのが筋なんだけど、ご両親への報告を先にしてしまった」


哲くんは眉を下げながら申し訳なさそうに謝ってきた。


「唯はさ、性格なんだろうけど俺がプロポーズしても信じてくれないんじゃないかと思って。だから周りから固める必要があったんだよ」


もう一度、ごめんと謝る哲くんに首を横に大きく振る。


「ううん!わたし、すっごい嬉しかったの!哲くんの言葉。だから謝らないで?」


哲くんはわたしのことをよくわかってくれる。


確かにわたしはプロポーズされても、わたしでいいの?なんて無駄に悩みだすかもしれない。


だから先にうちの両親に伝えてくれた哲くんの行動は正解だった。


「唯。きちんと伝えさせて。唯を愛してる。誰よりも、幸せにすると誓う。俺と結婚してください」



「はい」



わたしが返事をすると哲くんはわたしを真っ直ぐ見つめ四角い箱を取り出した。


中にはキラキラと輝く小さな指輪。


幸せになろう。


誰よりも、


愛しい貴方と一緒に。