「ごめんな…」


当時を思い出しながら寝ている唯の頬にそっと唇を落とす。


もう間違わないから、もう寂しい想いはさせないから。


「んっ…哲くん…?おはよう」


「おはよう、唯」


まだ眠たいのだろう。


目をゴシゴシと擦りながらまだ脳内が覚醒しきってないみたいだ。


「…雨、降ってるんだね」


「あぁ。さっき降り始めたみたい。今日は一日中雨だよ」


窓の向こうの雨をジッと見つめる唯。


そんな唯を後ろから抱きしめる。


「今日は雨だから、こうやってベッドの上でゴロゴロしよう」


「ふふっ、雨だから?」


「いや、天気は関係ないか。毎日唯を独占していたいからね」


あのとき、伝えられなかった言葉。


今ならちゃんと伝えられる。


それこそ、何度でも。


言い飽きることなく、何度でも。


「唯、好きだよ…」




【彼女と初めてのxxx】 完