さよなら、片思い【完】

「わかってはいるの!上原くん、こういうの慣れてるのは理解してる。でも、その…わたし経験ないから…こういうとき、どうしていいかわからなくて、だからっ!」


「唯、おいで」


唯を抱きかかえて俺の左胸に耳を当て、そしてドクドクと鳴る音を聞かせる。


「聞こえる?唯だけじゃなくて、俺も緊張してるの」


「うん、聞こえる…トクトクって。上原くんでも緊張するときあるの?」


「あるよ。唯は俺を何だと思ってるの?」


苦笑いすると唯は恥ずかしそうに笑った。


「俺も男だからね。抱きたいとは思うよ。でも唯の心の準備が出来るまで待」


待つよ、そう言おうとしたとき、唯の方から唇を重ねてきた。


それは初めてのことで、俺は突然のことに目を見開きながらそれを受けた。


ゆっくりと俺から離れる唯の顔は耳まで真っ赤になっていて。


「あのっ…よろしく、お願いします」


なんなんだ、この可愛い生き物は。


今までこんな女の子、出会ったことがない。