さよなら、片思い【完】

図書館の扉を開けてわたしはいつものように唯ちゃんが座っている席に視線を移す。


けれど、そこに座っていたのは唯ちゃんではなく上原くんで。


あまりにもびっくりしてわたしは持っていた本を落としてしまった。


その音に上原くんが気付いてわたしの方をジッと見つめる。


彼に見つめられたのはあの中学二年の夏以来。


「ねぇ。唯、見なかった?」


突然声をかけられて一瞬脳内がフリーズしたけれど、慌てて首を横に振る。


「おかしいな…ここで待ち合わせ合ってるよな?」


彼は心配そうな顔をして、小声でブツブツ言いながら携帯に視線を移した。


女の子のことでこんな表情も出来るんだ。


昔とは違う、上原くんの一面。