さよなら、片思い【完】

「お願い!掃除当番変わって!ねっ!?」


最後の「ね!?」に断るんじゃないよ、と圧力がかかっている。


クラスの中心人物であるマミちゃんに逆らえる訳もなく。


「うん。…いいよ」


「じゃ、よろしくね!」


わたしが返事をするとお礼も言わずにマミちゃんは素早く廊下で待っている上原くんの元へかけて行った。


…仕方ない。


早く掃除を終わらせようと箒を持つと、そのとき箒が奪い取られた。


驚いて振り返ると更にわたしは目を見開いた。


上原くんが目の前にいる。


「マミ、お前掃除当番なら自分がしろよ」


わたしから奪い取った箒をマミちゃんに渡す上原くん。


「えぇ!?だって掃除なんかしてたら哲と遊ぶ時間減っちゃうじゃん!!」


「掃除、しないんだったら今日は俺真っ直ぐ帰るから」


そこまで言われてマミちゃんは渋々教室の掃除をし始めた。


「お前も。こういうのはちゃんと断われよ」


最初上原くんがわたしなんかに話しかけてると思わなくて、


「おい、聞いてるのか?」


「えっ、あっ、はい!」


わたしの返事を聞いて上原くんは無表情のまま教室を出ていった。


これが中学生生活で一度だけ、話した彼との会話だった。