「えっ!?お兄に…ハロウィン…」


ヒナちゃんは困った顔をして小声でそう言うとため息を吐いた。


「唯お姉ちゃん。悪いことは言わないからお菓子作りは止めた方がいいよ」


「な、なんで?」


「お兄、ハロウィン嫌いなんだよ」


哲くんが、ハロウィン嫌い!?


そんな情報、一年間付き合って初耳な情報だよ!


「なんでハロウィン嫌いなの!?」


「…お兄さ、唯お姉ちゃんが一番よく知ってると思うけどかっこいいでしょ!?モテるでしょ!?」


わかる。理解してる。だけどそれが一体なぜハロウィンとの関係が…。


「ハロウィンにかこつけて、毎年大勢の女の子たちがお兄にお菓子を渡すの。それが面倒だって昔から言ってる。だから、お兄はハロウィンが嫌いなの」


「そんな…」


「バレンタインがあるのにハロウィンにお菓子渡してくる意味がわからない、って」


確かに哲くんならたくさんの女の子たちからハロウィンでもお菓子もらってそうだけど。