唯のことは嫌いじゃない。どちらかと言えば好きな部類だし、良い子だと思う。


「上原くん。偶然だね、今からお昼?」


午前の講義が終わり充と大志と3人で大学近くの定食屋に行こうと歩いてると、唯が俺たちの姿を見つけて駆け寄ってきた。


「あぁ、唯も今から?」


「うん。同じゼミの子たちと今からランチにいくところなんだ」


唯の少し離れた方向に視線を向けると唯の友達数人が唯を待っていた。


その中には俺の知らない男もいて。


「日下!早く来ないと置いてくぞ!!」


「あっ、待って!じゃあね、上原くん」


唯が小走りで友達の元へと向かうと先ほど唯の名前を呼んだ男はさりげなく唯の頭をポンと触った。


そして挑発的な視線で俺の方を睨んだ。


なんか…イライラする。