ラッキーなことに哲と大志とは同じ教室だった。


付き合いはいいから他にも友達はいるけどやっぱり気の置けないヤツらはこのふたりだけ。


「もう!なんでみんなしてあたしを置いてっちゃうのさ!」


プンプンと怒りながら教室に入ってきたのは中学からの友達の仁奈。


俺の唯一の女友達。


「いや、行くって俺ら声かけたのに仁奈が体育館で話込んでたじゃんかよ。おっそいんだよ、お前」


大志がそう言うと大志をポカポカ叩く仁奈。


可愛いとは思うけどこいつにだけは女を感じない。


「仁奈も同じクラスか。うるさくなるな」


「だな」


哲とクスリと笑いあうと教室の扉が開いて入ってきた人物を見るとみんなが静まりかえった。


「あっ、あったあった。ここだよ!律!うちらの教室!」


「まだ先生来てないみたいね。よかった、初日から遅れるとこだった」


一人は長いアジアンビューティーな黒髪に切れ長の瞳の美人系。


そして、もう一人は茶色の髪に大きな瞳にピンク色の唇をしたかなりスタイルの良い可愛い女の子。