お兄が何か喋るまで緊張してしまう。
「うん、美味いよ。ヒナ。フッ、この玉ねぎ、イイ形してる」
笑いながらお箸で玉ねぎを掴むお兄。
「もっと上手く切れるようになるもん!もう!いただきます!」
恥ずかしさを紛らわすように親子丼を口に頬ばる。
ふたりはそんなわたしを見てクスリと笑うとまた食べ始めた。
人生で2回目の料理は不恰好な玉ねぎの親子丼だったけど、美味しくて優しい味がした。
「ご馳走様。ほら、ヒナもお礼言って」
「ヒナちゃん、また遊びに来てね」
ごはんを食べ終わりお兄と二人で玄関で見送られる。
「…ありがとう。美味しかった、すごく」
「また一緒に作ろうね」
「じゃあ、唯。俺らそろそろ帰るよ。またあとで電話する」
「うん、哲くんまたね。ヒナちゃんもバイバイ」
「……」
笑顔で手を振る彼女にわたしは伝えなきゃいけないことがある。
けど、なかなか言葉が出てこない。
「ほら、ヒナ。帰るぞ」
「…うん。…あのっ!…ちょっと待って!」
わたしは鞄の中をゴソゴソしているとふたりは不思議そうな顔でわたしを見つめてくる。
「あった!これ、あげる!今日のお礼!」
わたしが鞄の中から取り出したものを彼女に渡した。
「ありがとう…【お兄ちゃんがずっとそばにいてあげる券】?」
「ヒナ、それ…」
お兄は覚えてるのか未だにわたしがそれを持っていたことに驚いた顔をしていた。
「うん、美味いよ。ヒナ。フッ、この玉ねぎ、イイ形してる」
笑いながらお箸で玉ねぎを掴むお兄。
「もっと上手く切れるようになるもん!もう!いただきます!」
恥ずかしさを紛らわすように親子丼を口に頬ばる。
ふたりはそんなわたしを見てクスリと笑うとまた食べ始めた。
人生で2回目の料理は不恰好な玉ねぎの親子丼だったけど、美味しくて優しい味がした。
「ご馳走様。ほら、ヒナもお礼言って」
「ヒナちゃん、また遊びに来てね」
ごはんを食べ終わりお兄と二人で玄関で見送られる。
「…ありがとう。美味しかった、すごく」
「また一緒に作ろうね」
「じゃあ、唯。俺らそろそろ帰るよ。またあとで電話する」
「うん、哲くんまたね。ヒナちゃんもバイバイ」
「……」
笑顔で手を振る彼女にわたしは伝えなきゃいけないことがある。
けど、なかなか言葉が出てこない。
「ほら、ヒナ。帰るぞ」
「…うん。…あのっ!…ちょっと待って!」
わたしは鞄の中をゴソゴソしているとふたりは不思議そうな顔でわたしを見つめてくる。
「あった!これ、あげる!今日のお礼!」
わたしが鞄の中から取り出したものを彼女に渡した。
「ありがとう…【お兄ちゃんがずっとそばにいてあげる券】?」
「ヒナ、それ…」
お兄は覚えてるのか未だにわたしがそれを持っていたことに驚いた顔をしていた。