さよなら、片思い【完】

お兄の彼女はわたしにもエプロンを貸してくれて、料理ド素人のわたしに一から丁寧にわかりやすく教えてくれてた。


玉ねぎに包丁を入れるのだってドキドキしてしまう。


まな板の上には大きさのバラバラな玉ねぎ…の残骸にしか見えない。
おかしい、わたしは玉ねぎを切っていただけであって玉ねぎの残骸を作っていたわけではないのに。


お兄の彼女はその玉ねぎを調味料が沸騰したフライパンに豪快に入れた。


「えっ!?いいの?あんな玉ねぎで!」


「大丈夫。形は不恰好でもヒナちゃんの一生懸命が入ってるから美味しくなるよ」


なに、それ。


「…不味かったらどうする?」


「大丈夫、ちゃんと美味しくできるから。玉ねぎに火が通るまでちょっと待っててね。わたし、ちょっと電話してくるから、見ててもらってもいいかな?すぐに戻るから」


「えっ!?あっ、ちょっと!」


菜箸を渡されて一人キッチンな取り残されるわたし。


「火が通るまで、っていつまでなんだよ…」


わからないながらもちょっと菜箸を動かして炒めてみる。


炒めていいのか、そのまま放置していいのか?


「ごめんね、任せちゃって。ありがとう」


「べっ、別に!わたしがやるって言い始めたんだし!はい!」


言葉通りすぐに戻ってきた彼女に菜箸を渡してバトンタッチ。


それから鶏肉、きのこ、溶き卵を次々入れていって美味しそうな匂いが部屋の中に漂っていた。


「できた!!!」


「うん、上手にできたね。美味しそう。盛り付けようか」


半分以上はわたしが作ってはいないけど、でもなぜか嬉しくなった。


可愛い白い食器を並べてそこに炊き立てのごはんを装って熱々の具材を乗せていく。