さよなら、片思い【完】

彼氏…?今お兄、彼氏って言ったよね?


じゃああの女性スタッフがお兄の彼女ってこと!?


ありえない!可愛いってタイプでも美人ってタイプでもない。


一言で表したら「普通」。まさにその言葉がぴったり。


お兄の彼女はテキパキと仕事をこなして、疲れなんて微塵も見せずに笑顔で接客をしていた。


本当、どこにでもいそうな普通の女性。



お兄ならもっと可愛い子選び放題なのになんで?


「本当ならバイトも辞めさせて閉じ込めておきたいくらいだけど」


「呆れた。そこまでいくと重症ね。それにしても哲がそんな独占欲剥き出しにするなんてね。意外だわ」


「俺も自分自身でも驚いてるよ。まさかこんなにハマるなんてね」


お兄はいつもニコニコしていてわたしに優しくて、でもあんな笑顔で笑うお兄の顔、見たことない。


…見たくない。


わたしはその場にいたくなくて、思いっきり立ち上がると拍子に椅子が倒れた。


その音で店内にいる人が一斉にわたしの方を見る。


もちろんお兄も、お兄の彼女も。