律さんと仁奈さんにお礼を言って上原くんと一緒にお店を出た。


自分でもどうしてあんなこと言ったのかわからない。


でも、由香里さんの話が出たとき、一瞬だけだけど上原くんがすごく辛そうな顔をしてたから。


「……ありがとう、唯ちゃん」


「なにがですか?」


薄暗くなった道をふたりで歩く。


「ん?俺を連れ出してくれて」


「いえ。ただ、上原くんが辛そうな顔をしてたから」


「唯ちゃんって意外と鋭いね」


そういって上原くんはハハッ笑った。


「……。ずっと好きだった奴が自分の親友と付き合ったら笑うしかないだろ?」


やっぱり、上原くんは由香里さんのこと好きだったんだ。


いざ本人から聞くとやっぱりキツイな。


「それからさ、好きでもないどうでもいい女の子たちと遊んでるけど全然満たされないんだよな」


「上原くん…」


「あっ、こんな話、軽蔑した?」


わたしはブンブンと首を横に振った。


「上原くんの気持ち、わかります」


わたしも他の人を見ている貴方が好きだから。


立ち止まって上原くんと見つめ合う。


これは神様がくれた一生に一回きりのチャンスなんじゃないかな。


「わたし、上原くんのことが好きなんです」


「……。」


「好きですっ…。わたしと付き、付き合ってもらえませんか?」


人生で初めての告白。


結果なんてわかってるけど、どうしても伝えたかった。