「私ね、和樹のこと
好きになっちゃった!!」
恥ずかしそうに、
でもはっきりと、
美衣は私に告げた。
「そーなんだ!
応援するねっ!」
口から勝手に出てしまった言葉。
あとから、いっぱい後悔した。
私もすき。って言えてたら
何か変わってたかもしれない。
でも、その時の私は
自分の気持ちに
鎖を何重もかけて
心の奥に閉じこめることしか
できなかった。
もう、二度と出てこれないように。
和樹くんは大好きだけど
美衣も同じくらい大切だった。
それから、
二人は付き合って、
すっごいラブラブで
私だったら
こんな感じには
なれなかったんだろうなーって
諦められた。
二人は私の憧れになった。
そうなったはずなのに、
今でも
出てきてしまいそうになる。
鎖がゆるんじゃうことがある。
だから、私はまた
何度も
何度でも
くくりつける。
これは絶対に出てきたら
いけない気持ちだから。
