学校に着くと、
クラスが掲示されていて、
すごい人だかりができていた。


背の低い私は頑張って
人の間から覗きこんだ。
それでもなかなか自分の名前が見つからない。



背の高い美衣は余裕で見つけたみたいだ。

「栞とクラス離れちゃったー。
栞が3組で私は5組。」


美衣は
今にも泣き出しそうになっている。


「クラス離れても友達ってことは
変わらないんだし、大丈夫だよ!」



「栞、約束だからね。
忘れないでよー!」


そう笑いながら言う
美衣の頬に
一粒の涙が流れたように見えた。




ねえ、美衣?


あのとき何気なく交わした二人の約束。

私は心の底から
思ったんだよ。


二人はずっと友達で親友だって。


その思いに嘘は
微塵もなかった。

素直な気持ちだった。



ねえ、信じてもいい?


美衣のあの涙は本物だったってこと。

あのとき、美衣は
何を思っていたんだろう。