「篠原さん」 看護婦さんに名前を呼ばれ、 診察室に入った。 大会のような妙な 緊張感が背中を走る。 「篠原さん、 ここに来るのは久しぶりだね 。 通う暇がなかったのかな?」 あたしは、頷く。 先生が頷く。 「じゃあ結果から言おうか」 あたしのカルテを見て 渋い顔をする。 そして口を開いた。