「あ、そう」

何かが解決したような声を出したので、あたしはもう解放されるのか、と思い、気付かれないように小さくため息をついた。



が、しかしため息をつくのが早すぎた。



「来い」

がしっと腕を捕まれ、どこかへ連れて行かれる。

・・・ついたのはバイクの前。

状況がつかめないあたしは、ぼーっとしてる間にヘルメットをかぶせられ、抱きかかえられて後ろにのせられていた。

「軽っ」

そう言ってフッと笑ったその人の声で我に返ったあたし。

「ちょっと、どこ連れて行く気!?てか順番が違う!!」



「・・・順番?」

「名前聴いてないし!」

「・・・レオ」




意外とあっさり名を名乗ったその背中に驚き、またもやぼーっっとしてしまうあたし。

「お前は?」

「え?あ、シュウカ」

「そう。じゃああと良いだろ。行くぞ」

「え、ちょっと待ってよ!ねぇ」

「黙れ」


ギロリと睨まれて何も言えないあたしをフッと鼻で笑い、バイクを発進させるレオ。