「おはよー」

友夏があたしに挨拶をする。

「あ、おはよー」

あたしは挨拶を返す。


いつも通りの会話。

でも考えてるのは屋上のこと。


いつも通りの廊下。

でも歩きたくない。


いつも通りの教室。

でもドアを開けたくない。


「なにしてんの?」

友夏はドアに手をかける。

あっ、ちょっとストップ!

考える時間がほしい!!

でもあたしのそんな様子に気づいていない友夏は、あたしの横からドアを開けた。

ガラッ

あーあ、開けちゃった。

「ほら、いくよ?」

「あ、うん」

うわー、絶対いきたくない!!!

チラッと潤太の机を見る。

席にはいなかった。

まだきてないのかな?

とにかく、よかった。

いまは潤太と顔を合わせたくない。

なんでって、理由は

① 昨日のことがあったばっかり。

② あたしは最低になってる。

③ 潤太を傷つけるのが恐い。

勝手なのはわかってるけど。