「自分でTシャツ捲っていってよ」
それで持ち上げてて。と彼は提案した。
いうとおりに従ってみたけど……
「……恥ずかしいんだけど」
彼はいつかのように、
吸って痕を残していたり、
指で触れるか触れないか位のタッチで
僕の様子をみながら触れてきたりしている。
「これからもっとするんだけど」
「……何を?」
解ってはいるけれど恐る恐る尋ねてみた。
「恥ずかしい事」
……その台詞が恥ずかしい!
答え終えると彼は再び僕の胸に顔を埋めて
舐めたり吸ったりしてくる。
「……っ、それ、くすぐったいから!」
「くすぐったいのは性感帯だって先輩が言ってた!」
「……それ、何先輩が言ったの?」
「野球部の部長さん」
……このやりとり、前にもした。
「だからその人の言う事は聞くなって!」
叫ぶように言うのと同時に、
Tシャツから手を離したので、
彼の頭がすっぽりと、見えなくなった。
……なんか面白いな。
もぞもぞと、少し動いているのが
何故だかわからないけれど、面白くて
なんだか笑えてくる。



