で、どうしよう。
どうするべきなんだ?
そんな事を思っていると、
彼の顔が近づいてきた。
また視線が絡むのは避けたかったので目を閉じる。
数秒して濡れた感触があったのは、
唇よりも横で上の、耳にだった。
「……ひぁっ」
情けない声が上がったのは、
耳殻を舐めあげられたり、食まれたりしたからだ。
彼的には耳を舐めるのは変じゃないのか。
でもさ、こんな状態だと
「ほんとに、僕、何もできないじゃん!」
そう言うと、彼は耳から口を離し、言った
「何かできたとして、
何するの?何したいの?」
笑みながら言われて、困る。
……そう言われればそうだ。
無言でいると、彼が先に口を開く。
「とりあえずさ、
俺に色々されてればいいよ!」
……楽しそうだ。



