愛しているから、さようなら!【BL】


潜り込んだ手が、
さらに奥へと行こうとしているので
どうにか寸前でその手を掴んで止めた。


「ちょっと待って!」

「……やっぱ嫌?」

上目づかいでこちらを窺い見ている。

手は少し前の位置に戻され、内腿を撫でている。

「っ……!」

その感触に震えが走り、言いかけた事が喉で止まる。


「触ってるとさ、この辺ビクビクする」

言いながら、手は擦り続けている。
視線も脚に向けていて、話を聞く気は無さそうだ。


……止める気も無いし、
止めてと言わせる気も無いんだろう。

この辺も彼の性格通り。
一人で勝手に突っ走る思考だ。